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昭和9年滋賀県初の国際観光ホテルとして建築、開業された琵琶湖ホテルは今日までその姿を留めている。開業までは当時の知事が幾人も変るという経緯があったものの、外国人からの外貨獲得をも目的として営業してきたこの風光明媚な立地のホテルはその使命を全うしてきた。今は無き日本橋の歌舞伎座を思わせる桃山風破風建築のこの姿を今も当時のまま見ることができることは幸運である。現在浜大津に移転した琵琶湖ホテルが平成10年以降を大津市がこの建物を管理し現在は「びわこ大津館」として運営されている。 |
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今日では、これらのタグラベルの正確な年代を知ることはできません。幸い訪れて今日の(平成23年6月)姿と比べてみた。左上の営業中の玄関前は全面芝となっていましたが、今日では車寄せとなって当時の様子とは大分違っています。欄干も赤から茶色に変っているのがわかります。 |
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戦後、このホテルも米国の将校用ホテルとして接収されました。昭和32年まで12年間の長きにわたり接収は続きましたが、それ以降は自立経営の道が始まりました。上のラベルを見ると、右の赤い屋根はレークサイドホールでした(今日はもうありませんが)。開業は昭和39年9月でしたから、その姿の無い左のラベルは、接収解除後昭和36年後半以降、昭和39年以前ということになります。左側に写る5階建ての新館は昭和36年1月に起工しました。 |
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左のラベルは、上の玄関を写したラベルとほぼ同じ時代の物のようです(裏面の電話番号記載から)。ホテル前にはヨットが多く係留されているのがわかります。これ以外が写真を使ったものからすると趣を変えていますが、少し寂しいデザインとなっていました。矢張り一番上の琵琶を模った戦前のラベルが秀逸。戦前の騒然とした時代の頃ではあるが、当時もここからの眺めは変らなかったであろう。同じ太陽の光、湖面からの風、時を忘れてしまいそうな光景である。 |
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