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平成24年10月3日。この日は100年近い歴史の中での2度目の再スタートであった。戦争による被災、修復。そして今回は創業当時の東京駅舎の復元というタイミング。幸いにして、その記念すべき時にホテルラベルのパネルを提供することができた。その幸運から、開業前の様子を見せてもらい、また、展示パネルを見るために昭和25年4月12日に再度訪れた。開業時は誰もが知っている通り多くのマスコミなどが取り上げ、人気は絶頂だった。いつ行っても東京駅の駅舎の前には人、人だらけだった。半年経った今でさえ、その数は驚きの数だ。改装しただけで人の関心度の差はこうも違うものかと。確かに、この場に立つと、つい写真でその姿を撮りたくなるものだ。近くにいていつでも立ち寄れるからいいが、遠方の人達にとっては矢張り一度は見てみたい建物として誰にでも知られた存在なのだから、その人気は当分衰えそうにもない。
開業前にその施設を見せてもらった時は、開業前ということもあり、騒然とした中で足早に見ていました。それでも、もう二度と見ることもないような所も見ることができた。今回再度訪れ、パネルを見る機会をたが、ロビーで待つ間、このホテルに泊まる人の雰囲気を感じた。年配の人が多かったが、このホテルへの憧れを抱いてのものだと感じた。 |
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ロビーは決して広くはないが、こじんまりとした中でも何故か落ち着く空間となっている。ここからサブエントランスへ抜けることもできるが、開業当時はそれがあったが、今はもうそんな人の流れとはなっていないようだ。 |
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東京駅正面の最上階。アトリウム。ここは宿泊客の朝食ラウンジだそうで、ここで雰囲気を楽しむこともこのホテル宿泊の楽しみといえるのではないだろうか。 |
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このホテルの楽しみの一つが、このドームからの眺め。ドーム上部のレリーフ復元など話題は多く語られていますが、このドーム側の部屋は少し高め。中心の扉のように、ドーム中心には4ケ所ドームを眺める場所がありラベルパネルもそこに展示されている。今回はそこに案内してもらいました。
ドームから下の雑踏を眺める様子は、松本清張の「点と線」にも登場するし、映画「女であること」では実際のロケがなされ上から眺める様子を映し出されていました。然し、今は当時とは全く異なった様子となっている。ドラマの舞台、あるいは実際の人生のドラマの舞台として人々の心に刻まれる場所になるのであろうか。 |
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アトリウムには改装前の、オリジナルのレンガを見ることができます。 |
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改装後のこのホテルの楽しみは、こうした長〜い廊下を見ること。実際歩いていると、どこを歩いているのかわかりませんが、東京駅の横幅のことを考えればなるほど、、という長さです。 |
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ドームを眺めるエリアにパネルは飾られていました。残念ながら、原寸ではありません。それはこれらの資料写真と同じ額装にしたからとか。いつかレイアウトを変える時には、原寸でかつてのラベルの雰囲気を伝えてもらいたいものです。 |
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最後に滅多に見ることのできない景色を見せてもらいました。右は行幸通りで皇居を眺めた風景。すぐ下のスイートと同じ景色です。前回訪れた時に見せてもらいましたが、もう二度と見ることができないのかと思っていました。ここはアトリウムの更に上の個室でした。
ホテルは色々な空間を提供し、それらに接した宿泊客が人生の一瞬を自分なりに楽しみ、思い出とする。宿泊は今日、どこにでも安く泊まれるところはある。たいていの人は、できれば安く抑えてと考える。実際東京ステーションホテルは100年近い歴史をもってはいるが、どちらかというと、ステーションホテルという位置づけから、旅行に便利な立地ということから、所謂著名人の宿泊という歴史は少ない。むしろ、落ち着くという意味で、多くの作家がこの場所で作品を書き上げたという歴史が有名です。東京駅の改築が無ければ、戦後続いていたステーションホテルという格は変わらなかったでしょう。然しながら、今回の改築により、このホテルも一流の仲間に入ることができるのかもしれない。ここでなくてはならない、という空間、設備、料理、そして歴史が特別な場所として人の心に響くのが有名ホテルの宿泊といえるでしょう。内装も一新し、新たなホテルはそれまでの長い歴史という財産を持っています。これからの東京ステーションホテルの宿泊は、そうした庶民派のホテル時代のさまざまな逸話、歴史をあらためて認識し、憧れと言われる存在となってゆくことでしょう。
一度は足を踏み入れてみる価値があるホテルといえます。 |
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