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トアホテル
The Tor hotel
1908-1944
兵庫県神戸市中央区北野町4-15-1

 今日神戸北野にある「神戸外国倶楽部」の場所にあったホテルでした。
 開業した明治40年頃には居留地で明治の初めから有名だったオリエンタルホテルの他には「みかどホテル」や「グランドホテル」など多くはなく
戦前においては神戸を代表するホテルの一つでした。下田菊太郎氏の設計によるハーフティンバーの外壁をもち、海岸沿いのオリエンタルホテルに比べ環境的にも眺望的にも恵まれたホテルでした。

 初代はドイツ人の社長で、大正3年イギリス人の社長となった。昭和16年の太平洋戦争の勃発から再びドイツ系ホテルに戻り、湯浅恭三氏が社長となり昭和19年には川崎重工業に身売りし廃業してしまった(「日本のホテル小史」(村岡実著)より)。

 終戦後、戦災で営業不能となっていたオリエンタルホテルが一時期此処を使用していたが、その後は神戸外国倶楽部として今日に至っています。

 このトアホテルのタグラベルはこれしか見たことはありません。またホテルラベルもこのダイカットの大小、そしてもう1種までは確認できています。絵葉書などにもこの鳥居のマークがよく使われていたようです。神戸北野にそびえていたこの素敵なホテルが今も残っていないのは残念です。36年の歴史の中で多くの外国人がこの雰囲気を味わっていたのでしょう。ラベルに関してはこれも詳細は不明。